大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和38(あ)1576 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人荒木宏の上告趣意第一点について。

所論は、道路運送法一〇一条一項が憲法二九条、三一条に違反する旨主張する。

しかし、憲法二九条による財産権の不可侵の保護は無制限に認められるものではな

く、公共の福祉の確保を必要とするときは、その所持、使用、収益の制限を受認し

なければならないことは当裁判所の屡次判例(昭和二五年(あ)第一九号同年一一

月二二日大法廷判決刑集四巻一一号二三八九頁、昭和二九年(あ)第二九七〇号同

三三年二月一二日大法廷判決刑集一二巻二号二〇九頁、昭和三一年(あ)第九一四

号同三六年一二月二〇日大法廷判決刑集一五巻一一号一八六四頁参照)とするとこ

ろであり、道路運送法一〇一条一項が自家用自動車を有償運送の用に供することを

禁止しているのは公共の福祉の確保のため必要な制限であることもまた当裁判所の

判例(昭和三五年(あ)第二八五四号同三八年一二月四日大法廷判決)とするとこ

ろである。されば同法一〇一条一項は憲法二九条に違反するものではなく、これを

合憲と解した原判決は正当である。また右道路運送法一〇一条一項が憲法二九条に

違反しない以上、同三一条違反の主張は前提を欠くものであり、結局、所論違憲の

主張は採るを得ない。

同第二点について。

所論は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、上告適法の理由にならない。

よつて刑訴同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三八年一二月一二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

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裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 朔 郎

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